37歳で脳卒中、8年後復活した脳神経学者の記録『奇跡の脳』

『奇跡の脳』:ジル・ボルト・テイラー、竹内薫訳

著者のジル・ボルト・テイラーは神経解剖学者で、ハーバード医学学校で脳と神経の研究に携わり活躍する中、37歳で脳卒中で倒れる。その後、八年のリハビリで「復活」、2008年にはタイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれています。

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「脳卒中は永遠に回復しない」は本当ではない。

まず、著書からの引用です。

「脳卒中の後、6ヶ月以内にもとに戻らなかったら、永遠に回復しないでしょう!」耳にたこができるほど、お医者さんがこう言するのを聞いてきました。でも、どうか、わたしを信じてください、これは本当ではありません。
わたしは脳卒中の後の8年というもの、自分の脳が学んで機能する能力が格段の進歩をとげたのを実感しました。

「世界で初めての、脳卒中の日から回復までの記録」

「脳と神経」の専門家だから書けた、脳卒中になった朝から、8年間のリハビリ、回復復帰までの記録です。脳卒中とはどんなものなのか。どう回復に努力すべきか、また周囲がどのように接し回復の手助けをするべきか、を知ることができます。

脳卒中になった瞬間

1992年12月10日の朝、左目の裏から脳を突き刺すような激しい痛みを感じ、のろのろと起き上がりました。そして、…..ようやく、命にかかわるような重い神経の機能不全に陥った可能性があることに気づいたのです。

もし、脳卒中とはどんなものかを感じたいなら、まずは「脳卒中の朝」の章をお読みください。ここでは、1人の科学者の目を通してみた、認知能力が徐々に衰えてゆくという、類い稀なる旅へ、あなたをお連れします。

リハビリで脳卒中前の脳に戻ったわけではない

手術は成功しました。でも、左脳の失われた部分が元に戻ったわけではありません。8年間のリハビリは、一から学習したことが多く、失った部分を補完して復帰できた工夫、訓練が述べられています。そして、脳は「つながり方」を変えるという、驚くべき能力を持っていることを知ることになります。

もしあなたが、脳卒中や他の種類の脳障害にかかった人をご存知なら、「回復について述べた各章」は、測り知れない価値のある情報源になるでしょう。ここでは、年代順の回復の旅をみなさんと分かち合いたいと思います。

興味深い右脳の旅

左脳側に大量の出血、失われていく左脳の機能の過程で、右脳だけの自分を体験を書いています。よく左脳派、右脳派、また右脳を鍛えようなどと言いますが、左脳が破壊されて、右脳だけになった自分を記録した人はいないでしょう。この本が脳卒中のためにだけ書かれた本ではないことがわかります。
左脳の機能が失われ、右脳だけになっていく自分を・・・

左脳の言語中枢が徐々に静かになるにつれて、わたしは人生から切り離され、神の恵みのような感覚に浸り、心がなごんでいきました。高度な認知能力と過去の人生から切り離されたことによって、意識は悟りの感覚、あるいは融合して「ひとつになる」ところまで高まっていきました。むりやりとはいえ、家路にたどるような感じで、心地よいのです。

読み終えて、脳卒中、リハビリの疑似体験をすることができました。それに、右脳は鍛えることができるのではないかと、思い始めています。

 

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